債務整理中の新たな借入れは絶対NG!お金に困った時の対処法
債務整理は、借金問題の解決に向けて前向きな一歩を踏み出すための大切な手続きです。しかし、手続き中に急な出費でお金が必要になることもあるかもしれません。そんな時、「少しだけなら…」と新たな借入れを考えてしまう方もいるでしょう。
でも、債務整理中の新たな借入れは絶対に避けるべきです。なぜなら、それが手続きを台無しにしてしまうだけでなく、さらなる困難を招く可能性があるからです。
今回は、債務整理中に新たな借入れをしてはいけない理由と、もし本当にお金に困ってしまった場合の賢い対処法を詳しくご紹介します。
債務整理中に新たな借入れがNGな理由
債務整理中にお金を借りてしまうと、あなたが現在進めている手続きに深刻な悪影響を及ぼします。
1. 債務整理手続きが失敗する可能性が高い
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、彼らは貸金業者に「受任通知」を送ります。この通知が送られた後に新たな借入れをすることは、債務整理の誠実さを疑われる行為と見なされます。
- 任意整理の場合: 貸金業者との交渉が難航し、減額に応じてもらえなくなる可能性が高まります。最悪の場合、和解交渉が打ち切られてしまうことも。
- 個人再生・自己破産の場合: 裁判所から「免責不許可事由(借金を免除しない理由)」に該当すると判断され、借金が帳消しにならなくなる可能性があります。これは、「返済するつもりがなかったのに借りた詐欺的な行為」と見なされかねないためです。
2. 「ブラックリスト」に載っているため通常の借入れは不可能
債務整理を始めると、あなたの信用情報機関に「金融事故情報」が登録されます。これは、いわゆる**「ブラックリストに載る」**という状態です。この情報が登録されている間は、銀行や消費者金融などの正規の金融機関から、新たなローンやクレジットカードを組むことはほぼ不可能です。
3. 闇金(ヤミ金)の被害にあうリスクがある
正規の金融機関から借りられない状況で、「ブラックOK」「審査なし」といった甘い言葉で誘ってくる業者は、違法な高金利で貸し付けを行う闇金である可能性が非常に高いです。一度でも手を出してしまうと、法外な利息を請求され、厳しい取り立てに遭い、債務整理をする前よりもさらに状況が悪化してしまうことになります。
4. 弁護士・司法書士との信頼関係が崩れる
債務整理を依頼した弁護士や司法書士は、あなたの状況を理解し、借金問題の解決に向けて尽力してくれます。しかし、彼らに無断で新たな借入れをしてしまうと、信頼関係が損なわれ、辞任されてしまう可能性もあります。そうなると、手続きが中断し、自力で解決しなければならなくなってしまいます。
債務整理中にお金が必要になった時の3つの対処法
債務整理中にどうしてもお金が必要になった場合は、新たな借入れ以外の方法を検討しましょう。
1. まずは弁護士・司法書士に相談する
あなたが現在債務整理を依頼している弁護士や司法書士に、真っ先に相談してください。彼らは、あなたの状況を把握しており、借金問題のプロです。新たな借入れ以外の解決策を一緒に考えてくれたり、公的な支援制度についてアドバイスをしてくれたりするでしょう。
2. 公的な支援制度を利用する
国や地方自治体、社会福祉協議会などでは、生活に困窮している人向けの支援制度を設けています。
- 生活福祉資金貸付制度: 低所得者や高齢者、障害者世帯を対象とした生活費や一時的な資金の貸付制度です。無利子または低利子で借りられる場合があります。
- 住居確保給付金: 離職や廃業によって住居を失うおそれがある場合、家賃相当額が支給される制度です。
- 生活保護: 最終的なセーフティネットとして、最低限の生活を保障するための制度です。他の方法では生活が成り立たない場合に検討できます。
これらの制度は、利用条件や審査がありますが、状況によっては大きな助けとなる可能性があります。
3. 親族や友人からの援助を検討する
もし頼れる親族や友人がいるのであれば、正直に事情を話して相談してみるのも一つの方法です。ただし、この場合も借りるのではなく、「援助」という形でお願いするのが理想的です。金銭の貸し借りとなると、後に人間関係に亀裂が入る原因となる可能性もあるため、返済計画などを明確にして、書面で取り決めを行うなど慎重に進めましょう。
まとめ:債務整理は「再出発」のための大切な期間
債務整理中は、あなたの経済状況を立て直し、新しい生活を始めるための非常に大切な期間です。この時期に新たな借入れをしてしまうと、せっかくの努力が水の泡となり、かえって状況を悪化させてしまうリスクがあります。
もしお金に困ることがあっても、闇金のような危険な手段には絶対に手を出さず、まずは信頼できる弁護士や司法書士に相談してください。そして、公的な支援制度や、頼れる人からの援助など、健全な方法で困難を乗り越えましょう。
債務整理は、あなたの未来を良い方向に変えるためのチャンスです。焦らず、正しい道を選んで、借金問題からの解放を目指しましょう!