ファンヒーターの灯油、どうやって抜く?少量の灯油も安全に処分する方法
寒い季節に大活躍するファンヒーターですが、シーズンオフの片付けの際に困るのが、中に残った灯油の処理ですよね。「どうやって灯油を抜けばいいの?」「少量だからそのまま捨てちゃってもいいかな?」と悩む方もいるかもしれません。
ファンヒーターの内部に灯油を残したまま保管したり、間違った方法で処分したりすると、火災や故障の原因になる可能性があります。この記事では、ファンヒーター本体の灯油の正しい抜き方と、少量残ってしまった場合の安全な処分方法を分かりやすく解説します。
ファンヒーター本体の灯油の抜き方
ファンヒーターは、カートリッジタンクを外しても、本体の底にある「固定タンク(油受け皿)」に少量の灯油が残っています。これをしっかり抜くことが、安全な保管と来シーズンのトラブル防止に繋がります。
用意するもの
手動式給油ポンプまたはスポイト:100円ショップやホームセンターで手軽に購入できます。
空のポリタンクや密閉できる容器:抜き取った灯油を入れるために必要です。
新聞紙やぼろ布:床に敷いたり、こぼれた灯油を拭き取ったりするのに使います。
ゴム手袋(あれば):灯油が手につくのを防ぎます。
抜き方の手順
ファンヒーターを完全に冷ます: 必ず電源を切り、本体が冷めていることを確認してください。火傷や火災の危険があります。
換気をする: 作業中は窓を開けるなどして、しっかりと換気を行いましょう。
新聞紙やぼろ布を敷く: ファンヒーターの下や周りに新聞紙などを敷き、灯油がこぼれても大丈夫なように準備します。
カートリッジタンクを外す: 普段給油する際に使う、取り外し可能なタンクを外します。
固定タンク(油受け皿)の灯油を抜く:
ファンヒーター本体の底の方にある、固定されたタンク(油受け皿)を確認します。
給油ポンプやスポイトの細い方を固定タンクの奥まで差し込み、残っている灯油を吸い取って、用意した空のポリタンクなどへ移します。
機種によっては、オイルフィルターなどが付いている場合があるので、取扱説明書を確認しながら慎重に行ってください。
残った灯油を拭き取る: ポンプやスポイトで吸い取れないごく少量の灯油は、キッチンペーパーやぼろ布に染み込ませて、きれいに拭き取ります。この時、布などをタンク内に残さないように注意しましょう。
しっかりと乾燥させる: 灯油を抜き取った後、本体の内部をよく乾燥させてから保管しましょう。湿気が残っているとサビや故障の原因になります。
少量の灯油の処分方法
抜き取った灯油や、ポリタンクに残ってしまった少量の灯油を安全に処分する方法はいくつかあります。絶対に下水や土に流したり、燃やしたりしないでください。 火災や環境汚染の原因となり、大変危険です。
1. ファンヒーターで「使い切る」(最も推奨される方法)
来シーズンに持ち越さないためにも、暖房シーズンが終わるギリギリまで、ファンヒーターで灯油を使い切るのが最も安全で簡単な方法です。
梅雨時期の洗濯物乾燥: 思いがけず肌寒い日や、洗濯物が乾きにくい時期に、ファンヒーターを使って部屋干しの洗濯物を乾かすのに利用できます。この際も、換気はしっかり行いましょう。
少量をタンクに戻して使い切る: ポリタンクの底に少し残った灯油を、再びファンヒーターのタンクに戻して使い切ることも可能です。ただし、来シーズンに持ち越すと変質している可能性があるため、必ずそのシーズン中に使い切りましょう。
2. ガソリンスタンドや灯油販売店に持ち込む
多くのガソリンスタンドや、灯油を購入したホームセンターなどの販売店で、不要な灯油を引き取ってくれます。
事前に確認する: 全ての店舗で引き取りを行っているわけではないので、必ず事前に電話などで「不要になった灯油を引き取ってもらえますか?」と確認しましょう。
費用: 無料で引き取ってくれるところもあれば、数百円程度の費用がかかる場合もあります。
容器: 持ち込む際は、必ず灯油専用のポリタンクに入れ、漏れないように蓋をしっかり閉めて運びましょう。
3. 新聞紙や布に染み込ませて可燃ごみへ(ごく少量の場合のみ)
ごく少量の灯油(自治体によって異なりますが、目安として50cc~100cc以下)であれば、新聞紙や古布に十分に染み込ませ、ビニール袋などに入れて密閉し、可燃ごみとして出すことが可能な自治体もあります。
自治体のルールを確認: 必ずお住まいの自治体のゴミ出しルールを確認してください。 灯油の処分方法が指定されている場合や、可燃ごみとしての排出を禁止している自治体も多いです。
乾燥させる: 染み込ませた新聞紙や布は、発火の危険性を減らすため、風通しの良い屋外で完全に乾燥させてから(ただし火気厳禁)、他のゴミとは別の袋に入れて出すようにしましょう。
子供やペットの手の届かない場所で: 作業中や乾燥中は、子供やペットが触れないように注意が必要です。
4. 不用品回収業者に依頼する
ファンヒーター本体と一緒に灯油を処分したい場合や、大量の灯油が残ってしまったがガソリンスタンドなどへの持ち込みが難しい場合は、不用品回収業者に依頼することも可能です。
費用がかかる: 回収費用がかかります。業者によって料金が異なるため、複数社から見積もりを取ると良いでしょう。
対応範囲を確認: 灯油の回収に対応しているか、事前に確認が必要です。
まとめ:安全に正しく処理して、次のシーズンも快適に!
ファンヒーターの灯油の抜き方と処分方法は、安全のために非常に重要な作業です。特に、火災や事故に繋がる可能性のある灯油の不適切な処理は絶対に避けましょう。
シーズンオフの片付けの際は、この記事を参考に、本体の灯油をしっかり抜き取り、残った灯油は「使い切る」「専門業者に相談する」「自治体のルールに従って少量のみ処分する」といった適切な方法で処理してください。正しい方法で保管・処分することで、次のシーズンも安心してファンヒーターを使うことができますよ!